2024.04.30

Gente di Mare Interview No.3 武内雅英さん

gente di mare interview

2024年04月30日

スタイルの核になる
「銘品」との出合い
スタイリスト、武内雅英さん

Interview no.03

武内雅英さん

今回のゲストは『MEN’S CLUB』や『MEN’S EX』など、数多のメンズ誌で活躍中のトップスタイリスト、武内雅英さんです。ドレスからカジュアルまで、幅広いスタイリングに精通する武内さんのセレクトは、マルチに活躍できる歴史的名作でした。

SEBAGO

今のムードに溶け込む柔軟性も魅力!
セバゴが誇る、ペニーローファー

スタイリスト、武内雅英さん

佇まいからも溢れる銘品の薫り、長く愛されるのには理由がある!

今年の春のスタイリングにも間違いなく活躍できると確信しているのが、「ジェンテ ディ マーレ」で展開している セバゴの名作『クラシック ダン』です。この靴は今に続くペニーローファーの縫製技法「ビーフロール」の生みの親になったモデルで、50〜60年代のアイビー世代には知らない人はいないくらい、当時のアメリカで大ヒット。実力はあってもやむを得ず消滅するブランドも多々あるなか、75年以上もかたちを変えずにつくり続けられるローファーなんて、そう滅多にはない。こんなにも長く愛されるということは、これからの未来も託せるという証。そんなブランドの価値も含め、セバゴで最も歴史のある靴に注目しました。

――1946年、北米・メイン州で歴史をスタートさせたフットウエアブランド、セバゴ。創業時に誕生したペニーローファー『クラシック ダン』は、1970年にリリースされたモカシン『ポートランド』と並ぶ2大アイコンとして、今なお絶大な人気を誇ります。

セバゴ ペニーローファー『クラシック ダン』

堅すぎず、カジュアル過ぎず、大人の足元にちょうどいいバランス感

セバゴをはじめアメリカで生まれたペニーローファーは、所謂ショートノーズで、ぽってりした顔立ちが特徴です。ここ数年のボトムの流れを見ても、シャープなデザインの靴より圧倒的に活躍の幅が広いのは確か。また、上質なレザーの艶や滑らかな表情も、大人の足元には欠かせない要素です。クラシックなローファーは、ともすると学生っぽいイメージに陥りがちですが、反面、ベーシックゆえに旬の要素を気にしながらスタイリングしてあげると、柔軟に溶け込んでくれる…。そんな時代に合わせた楽しみや懐の深さが味わえるのも、銘品たるゆえんではないでしょうか。

――日々幅広いジャンルの靴に触れている武内さん。秀逸に計算されたディテールをひとつひとつ確認する所作からも、モノへの愛情とつくり手へのリスペクトが感じられます。

スタイリスト、武内雅英さん

履き込むほどに実感できる、時代を超越した機能美

ローファーといえば、サドルの両端を補強するための「ビーフロールステッチ」が有名ですが、実はこの伝統的な構造は、セバゴが発案した技法とデザイン。現在はイタリア系企業の傘下でハンドとマシーンを用いてつくられているようですが、ソールの貼り方を見ても、オールハンドでつくられていた時代と見分けがつかない完成度。素材は、傷がつきづらく耐久性に優れたフルグレインレザー。しかもガラス加工も施されているので、程よく撥水性もあり、革靴が雨の日もストレスなく楽しめます。もうほかのペニーローファーは要らないかも…、と思わせるくらいの見た目とクオリティの高さで4万円以下というポジションは、正直、とても貴重な存在です。

――クラシックなローファーの持ち味を今の気分で楽しむなら、一旦トラッドからは離れてみたい…というのが武内さんのスタイリングルール。

スタイリスト、武内雅英さん

ローファーが核となる、時代の空気を捉えたスタイリングの妙

年々カジュアル化傾向にあるビジネスシーンの足元には、軽やかなセバゴのペニーローファーは間違いなくハマります。但しクラシックな靴は、意識的に華やかなアイテムを足してあげないと古臭い印象が拭えない。例えばジャケットを合わせる場合は、「ジェンテ ディ マーレ」で展開しているラルディーニやチルコロといった、イタリアンブランドの上品な艶っぽさは、ぜひほしいところ。一方カジュアルな装いでは、あえて遊びのある色のアウターやトップス、程よくワタリのあるパンツで旬のバランスを図りたい。セバゴのペニーローファーも、より新鮮に楽しめるはずです。

スタイリスト、武内雅英さん

PROFILE

武内雅英

1977年7月12日生まれ。
編集者を経てスタイリスト梶谷早織に師事。
2005年に独立し、現在に至る。
メンズクラブや多くの雑誌をメインに広告
やTVで活動中。趣味は原点の古着屋めぐり。

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