スポーツアンカーとして、また経営者としても多方面で活躍する田中大貴さん。フジテレビでの数々の人気番組でアナウンサーの経験を経て、現在はスポーツの現場に寄り添う視点と高い発信力で注目を集めてご活躍。
そして、元バドミントン日本代表選手であり、引退後は外資系コンサルで事業戦略とコンテンツ運用を経験後、統合型コミュニケーションカンパニー「Splat」を創業・運営する池田信太郎さん。
仕事現場でもプライベートでも親交のあるお二人が、この春にオープンしたばかりの「ジェンテディマーレ 青山」にご来店。独自のキャリアを築くお二人に、自身の仕事への向き合い方や装いのこだわりについて、お話をお伺いしました。
チルコロの十八番とも言える、伸縮性抜群のジャージー生地をイタリアンテーラリングの技法で仕立てたジャケット。ジャージー生地でありながらまるでリネン生地のような素材感を、高いプリント技術で再現。畳んでもシワになりにくく、出張や旅行でも重宝する。ジャケット¥94,600(税込み)
田中大貴さん(以下田中さん)
「スポーツアンカーという仕事は服装のバランスが意外と難しいんです。局アナ時代は、服装は出演する番組で求められる装いがありましたし、どちらかというと“着せられている”という感覚が近かったかもしれません。ただ今は、むしろ“自分で着る”という意識が強くなっていますね。インタビュアーとして仕事をするときに、自分が主役じゃないということは前提にしつつ、それでもまた取材した人から会いたいなと思ってもらえるような印象を持ってもらうことが大切。その積み重ねが、次の仕事にも繋がる。そのために、どのような装いや振る舞いをするかということは、常に考えて仕事に臨んでいます。
–––池田君は今のコンサルティングの仕事をするようになってからは特に、そのようなことを意識しているんじゃないですか?」
池田信太郎さん(以下池田さん)
「そうですね、バドミントン選手のときよりもビジネスマンに会う機会は増えましたから。選手時代から、スポンサーとなってくれるクライアントには自分の価値をどう表現すべきかということは意識し続けていましたね。その意味ではどんな印象を与えるかということはスポーツでもビジネスでも等しく大切なことではないかなと」
鹿の子素材のコットンピケを用いたテーラード仕立てのチルコロのジャケット。「製品染め」とウォッシュ加工による、独特なニュアンスのある生地感も魅力の1つ。左写真 ジャケット¥86,900(税込み)
チルコロが開発した、コットンに化繊素材を混紡したジャージー生地で仕立てた一着。独自技術によるファブリックプリントで、ハンドトゥース柄を再現。右写真 ジャケット¥91,300(税込み)
田中さん
「局アナのときは常にジャケパンスタイルでした。1日に2〜3本の撮影が控えているので、年間で365着以上は着たんじゃないでしょうか。なので、ジャケットを見る目は肥えていると自負しています(笑)。ただ、独立した今は、アナウンサーっぽくなりすぎずに、きちんと見えるような服装を意識しています。
チルコロのジャケットはそんな装いにも非常にマッチしてくれますよね。堅苦しくなりすぎずに、上品な着こなしをすることができる。そして、ステッチングやボタンなどの細部へのこだわりに惹かれます。しかもストレッチ性もあるので羽織っていてもとても楽で、アスリートにもおすすめできますね。個人的にはチルコロは、スポーツに関わる人にとって、スーパースターと言っても過言ではないほど活躍するブランドだと思っています」
サマーウールのラルディーニのジャケットは、肩パッドや芯地などを省いたアンコン仕立てで軽やかな佇まい。ダブルブレストでありながら畏まりすぎずに、今らしく軽やかに着られるのが特徴だ。左上写真 ジャケット¥250,800(税込み) 右上写真 ジャケット¥250,800(税込み)
ラルディーニではよりドレッシーな生地のスーツも展開。ビジネスユースで着られ、タイドアップスタイルにもマッチする。下写真 スーツ¥231,100(税込み)
田中さん
「実は最近ダブルブレストにハマっているんです。というのもインナーをカジュアルな丸首のニットを合わせたときでも、ダブルブレストならジャケットで着こなしにアクセントをつけることができますから。私のようなスポーツ界で取材をする仕事をしていると、大体ジャケットの着こなしがシンプルになりすぎてしまうことが多くて……。そんなときにダブルブレストだと羽織るだけでカッコよくて様になってくれるので重宝します」
池田さん
「確かに田中さんはダブルを最近よく着ているのを見ますね。このラルディーニのジャケットはかっちりとしすぎていなくて、アスリートの取材の現場にも合いそうです。色も柔らかいネイビーやグレーでも軽やかな雰囲気ですね。テレビに映るときは濃い色と薄い色どちらがいいとかあるんですか?」
田中さん
「画面越しだと明るい色でも意外と派手にみえなかったりしますね。ただ、あくまでこちらは脇役で他の出演者さんが主役ですから。ラルディーニのダブルジャケットは、そのあたりのバランスが良くて重宝しそうです」
ナポリの名門パンツ専業ブランドのリネンパンツ。通気性と透湿性に優れたリネンは、蒸し暑い夏でも活躍。適度にテーパードしたシルエットは上品で、ドローコードつきのイージーパンツ仕様はウエスト周りも快適。 パンツ¥45,100(税込み)
田中さん
「このようなイージーパンツも大好きなんです。ベルトを通さなくても穿けるドローコード付きのパンツは移動が多い日でもとても楽ですよね。ブリリアのこちらのパンツは打ち合わせがある日はジャケット合わせられそうですし、休日は足元をサンダルで合わせて穿いてもよさそうですね。ワンパターンにならずに2WAY、3WAYと様々なシーンで着られるアイテムはつい手にとってしまいます」
池田さん
「田中さんは休日はどのように過ごしているんですか?」
田中さん
「こういう仕事をしていると日々の忙しさに追われて、日常生活のちょっとした変化に気づいたり新鮮だと思う感性が失われてしまいがちです。だからこそ、休みの日は普段仕事の現場にいると得られないような情報を、インプットするように心がけています。
そういう意味では、今日「ジェンテ ディ マーレ 青山」にお邪魔させていただいたのは非常に良い刺激になりました。ゆったりとした空間で、それぞれの洋服のこだわって作られているポイントを発見したり、それらを着るシーンを思い浮かべる。そんなインプットを楽しむ時間があると、スイッチがオフに切り替わってくれる。
池田さん
「また良い状態で仕事に臨む準備をするためにも、そのような時間は大切ですね」
Pants : パンツ¥45,100(税込み)他、本人私物
田中大貴
兵庫県出身。慶應義塾大学環境情報学部卒。
大学時代は体育会野球部に所属し、プレーをする。
大学時代は体育会野球部に所属したのち、2003年にフジテレビに入社。アナウンサーとして勤務し、「とくダネ」「すぽると」など数々の人気番組を担当し、バンクーバー五輪、リオデジャネイロ五輪現地キャスター、プレゼンター、MC、実況者などを歴任。そして2018 年に独立しスポーツアンカー、経営者としての活動をスタート。東京五輪では IOC ベニューMC を務めた。番組 MC、スポーツ実況、執筆連載などメディア出演の他に、Inflight.Co.Ltdを立ち上げ、スポーツチーム・団体・企業とのビジネスコーディネーション、コンサルティング、メディア制作、CSR 活動イベントの企画・運営し活躍中。
Photo : Suguru Tanaka / Text:Shinji Hashimoto