元フジテレビのアナウンサーで、独立後はフィールドを拡大してますます活躍中の田中大貴さん。今季ひと目惚れをしたアイテムから、日々のスタイリングに関する心温まるエピソードまで。連載の後編も、田中さんの多彩な魅力に迫ります。
ハーフコートタイプのダウンジャケットには撥水加工が施されているため、急な天候の変化にもノンストレス。防寒の役割を果たすインナーダウンは着脱が可能なため、2WAYのスタイリングが楽しめる。ダウンジャケット¥165,000(税込み) その他/私物
ひと目惚れといっても過言ではないダウンジャケットには、“スポーティ”、“シック”、”機能的”。そしてエレガントにも着こなせるといった、私の好きな要素がすべて入っています。例えば、仕事で寒暖差のあるスポーツの現場に行ったときに便利なのがインナーダウン。着脱ができるうえ、重ね着風のデザインにも惹かれました。ハーフコートタイプなので一見カジュアルですが、深みのあるネイビーとグラマラスなダブルブレストは、ビジネススタイルにも最適。これこそ、私が理想とするオールマイティな一着です。
ちなみにこのダウンジャケットは、今季から「ジェンテ ディ マーレ」で展開するモンテコーレというイタリアのブランド。嬉しいことに、同僚や後輩たちから「その服はどこのですか?」と聞かれる機会も多いので、知る人ぞ知るブランドは望むところ! またひとつ、コミュニケーションツールとなるワードローブが増えました。
遠目からも洗練された雰囲気が伝わる、上質ウールで仕立てられたチェスタータイプの一枚。ラルディーニの真骨頂となるラペルピンは、マネークリップとしても利用できる。遊び心溢れるディテールに、田中さんも興味津々!コート¥209,000(税込み)その他/私物
独立した今もゆっくりショッピングをする時間がなかなか取れないので、仕事でご一緒させていただくスタイリストさんからのリアルな情報は、とても参考になります。私は匿名性のあるデザインやディテールで自分らしさを表現したいタイプなので、何の手がかりもなく服を選ぶということはありません。寿司屋でネタの説明をしていただきながら握ってもらう寿司がいっそう美味しく感じるように、服も長く楽しみたいから、その道のプロの話をじっくり聞いたうえで選択するようにしています。
会社の代表として出席する商談や、式典など、ここぞという場面で仕立てのいい一枚を纏っていると、とても自信に繋がります。“ラルディーニ”のジャケットは衣装で着用させていただいたことはありましたが、テーラードコートは初体験。ジャケットに匹敵する軽やかさに加え、Tシャツなど、カジュアルなアイテムで着崩しても様になるのは嬉しい限り。多用な働き方が可能になったビジネスパーソンにとって、この振り幅の広さはとても魅力的です。
1982年にアメリカで誕生した、オートリー。2019年にヨーロッパで再復活を果たし、アイコニックなモデル『メダリスト』(写真)も、モダンにアップデートされている。シューズ¥35,200(税込み) その他/私物
最近は装いと共に、ビジネススタイルに取り入れても違和感を与えない“レザースニーカー”が、私の足元の主流に。主張は抑えながらも、誰ともかぶらなさそうなデザインや背景にストーリーがあると、つい手に取ってしまいます。今回試着させていただいたのは、オートリーを代表するモデル「メダリスト」。「ジェンテ ディ マーレ」のスタッフの方に聞くと、オートリーは、星条旗の使用が認められた数少ないブランドだそう。聞けば聞くほど興味は尽きなく、そうやって増えていく私のスニーカーコレクションに、家族の呆れた顔が目に浮かびます…。
ちなみに日々の仕事服は、スケジュールに合わせて出掛ける前に選びます。朝は子どもたちを学校に送っていくこともあり、似合っていなかったり、マンネリ気味だったりすると、娘からダメ出しが! いつの間にか、私のよき専任アドバイザーになってくれています(笑)。
テーラリング技術を駆使した、ハーフコートタイプのダブルジャケット。佇まいからも、仕立てのよさが際立つ。